『急な頭痛が襲ってきた!』

2025.04.11

こんにちは。事務局長のKです。

都内では桜も散り始め、春の終わりを感じる季節になりました。季節の変わり目は体調を崩しやすいものですが、皆さんは突然、強い頭痛に襲われた経験はありませんか?

「さっきまで普通だったのに、急にズキズキ…」
そんな頭痛は疲れやストレスだけでなく、時に命に関わる病気のサインであることも。

今回は、急な頭痛が起きたときに考えられる危険な疾患とその特徴についてお話します。

1. くも膜下出血(最も緊急性が高い)
✅ どんな病気?
脳の動脈にできた「動脈瘤(こぶ)」が破裂し、脳を覆うくも膜の下に出血が起こる疾患。出血は瞬時に広がり、脳を圧迫して命に関わる状態を引き起こします。

✅ 主な症状

「バットで殴られたような」突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)

嘔吐、意識障害

手足のしびれ、ろれつが回らない

光や音に敏感になる

けいれん発作を伴う場合も

✅ 注意点
痛みの強さが「これまでに経験したことのないレベル」であるのが特徴。20〜60代に多く、特に高血圧や喫煙歴のある方はリスクが高いです。早期に治療すれば命を救える可能性が上がります。

2. 脳出血・脳梗塞(脳卒中)
✅ どんな病気?
脳の血管が破れる(脳出血)、または詰まる(脳梗塞)ことで脳細胞が損傷し、さまざまな神経症状が現れる疾患です。

✅ 主な症状片側の手足のしびれ・麻痺

ろれつが回らない、言葉が出ない

視野が欠ける、二重に見える

強い頭痛、ふらつき

意識が遠のく

✅ 注意点
早期対応が極めて重要です(「FAST」チェック:Face, Arm, Speech, Time)。高血圧、糖尿病、心疾患、喫煙、過度の飲酒が主なリスク要因です。発症から4.5時間以内が治療のタイムリミットと言われています。

3. 髄膜炎(ずいまくえん)
✅ どんな病気?
脳と脊髄を包む髄膜に、ウイルスや細菌が侵入して炎症を起こす病気。特に細菌性髄膜炎は進行が早く、命に関わることもあります。

✅ 主な症状激しい頭痛(特に後頭部)

発熱(38℃以上)

項部硬直(首が固まり、前屈できない)

光や音に過敏になる

意識の混濁、けいれん

✅ 注意点
ウイルス性は比較的軽症な場合が多いですが、細菌性は緊急治療が必要です。小さなお子さんや高齢者は特に注意が必要。発熱+頭痛が同時に出たら医療機関へ。

4. 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)
✅ どんな病気?
主に高齢者にみられる血管の自己免疫性炎症。側頭部(こめかみ)の動脈が炎症を起こして狭くなり、頭痛や視覚障害が生じます。

✅ 主な症状片側または両側のこめかみの痛み

触ると脈打つ動脈が腫れていて痛い

視力低下や突然の視野欠損

発熱、全身の倦怠感、食欲不振

✅ 注意点
治療が遅れると視力を永久に失う可能性があります。血液検査(炎症反応)やエコー検査で診断され、ステロイドによる早期治療が必要です。

5. 高血圧性脳症
✅ どんな病気?
急激に血圧が上昇し、脳の血管が過剰に拡張・漏れ出し、脳浮腫を起こす状態。高血圧が長年続いている方に起こりやすいです。

✅ 主な症状

突然の激しい頭痛

視界がぼやける、目がチカチカする

吐き気・嘔吐

けいれん、意識障害

✅ 注意点
脳浮腫(脳のむくみ)を伴うため、非常に危険です。血圧が200以上ある場合は特に要注意。救急搬送が必要な状態です。

まとめ:迷わず病院へ!
上記のような症状がある場合、自己判断せず、すぐに医療機関を受診してください。頭部のMRI検査やCT検査が早期診断・治療のカギになります。

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