国際医療画像総合展(ITEM2025)に参加してきました
事務局長兼放射線技師のKです。
都内では桜もほとんど散り、季節の変わり目を日々感じるようになりました。
4月11日~13日にパシフィコ横浜で開催された国際医療画像総合展(ITEM2025)に参加してきました。
今年のトピックスとして、CT機器ではキヤノンメディカル社が発表した「立位CT装置」が大きな注目を集めていました。
「立ってCT検査をするの?」と思われるかもしれませんが、まさにその通りで、立ったまま撮影が可能な画期的な装置です。従来の横たわった状態(臥位)での撮影とは異なり、自然な姿勢での撮影が可能となっています。
立位CTは、膝関節症や椎間板ヘルニア、嚥下や歩行など、動きのある状態(動態)での評価に有用であるとの報告が出ています。また、人間ドックなどでの運用においては、ワークフローの改善や検査時間の短縮といったメリットも期待されています。
今後、この立位CTがどのように進化し、臨床診断においてどのようなメリットをもたらすのか、非常に注目したいところです。
一方、MRI装置では、富士フイルムメディカルが昨年発表したゼロヘリウムMRI装置の進化版が、今回初めて披露されていました。
まず、「ゼロヘリウムMRI装置」の何がすごいのかについて少し触れたいと思います。
MRI装置は、液体ヘリウムを使用して磁石(マグネット)を極低温状態に保ち、超伝導状態を作ることで稼働します。これまでは、この超伝導状態を維持するために大量の液体ヘリウムが必要とされてきました。
しかし、今回の装置ではその液体ヘリウムを一切使用せずに、超伝導状態を実現できるという技術革新がなされており、これは本当にすごいことなんです。
他にもメリットがあります。液体ヘリウムは限りある天然資源であり、価格の高騰や供給不安といったリスクがありますが、ヘリウム不使用にすることで環境負荷の軽減にもつながります。
ここまで聞くと、「すごい装置だな」と思われるかもしれません。確かに、技術的には素晴らしい革新なのですが……画質など、ソフト面については・・・これ以上書くとメーカー批判になってしまいそうなので、この辺でやめておきます(笑)。
各メーカーの最新技術を学ぶことができ、とても充実した時間を過ごすことができました。今回得た知識を、今後の臨床の現場で活かしていきたいと思います。
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